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87  有紗◆kbDZFnkAyh


あのさ、一回聞いてみようと思ってたんだけど………どこなの?(他愛も無い会話をどれくらい続けていたかは、カップの飲み物の残量で想像できるだろう。数ミリを残して飲み干さないのは、この後の時間の過ごし方に少し迷いがあったから。脊髄反射とも言える、脳を通さずに出てきた言葉が自分の声で再生された時───最後をはぐらかした。聞きたいのに、聞くのが怖い。尻窄みに小さくなる声は、乙女心の象徴で。『ん?聞きたい?』と表情を緩めながら聞き返してくる彼はどこか楽しそうだ)聞きたい、けど…(どうせ聞きたいことま分かってないだろうと高を括り、そう答えた。素気なく聞こえたかと少し不安になった時、息が掛かるほどの距離から耳元で囁かれたのは『ぜ・ん・ぶ!』と短い言葉───そのまま伝票を持って店を出る彼を、一歩後ろから追った私の頬から耳までの広範囲が真っ赤に染まっていたのは、夕暮れ時である事とは無関係なのは明白───どうして彼には分かるのか、「私のどこが好きなの?」と聞きたかったことが。強ちたった3文字の答えも冗談や揶揄いではなかったのかも知れない)ね、もうちょっとお散歩しようよ。(後ろから大きめの一歩を踏み出すと、お互いの指と手を絡めて…今度は隣に立って歩き始めた。一歩後ろを歩く私も、隣を歩く私もぜんぶ好きでいてくれるはずだから)

06/02 21:55    

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