………げっ。
（部活後の帰宅中に自宅最寄駅の改札で幼なじみの貴女と出くわして、あからさまに都合の悪そうな表情浮かべながら、左頬の切り傷と痣を貴女から隠すように顔を横向けたままで）
そうすけ 高2 181 73 黒髪短髪 野球部
母子家庭でマンションで2人暮らし、母親の仕事が遅くなりがちなので家事は一通りしている
弱い者いじめを放っておけない性格のため、時々ヤンキー等と喧嘩になる
喧嘩は強いが、いつか大怪我をするのではと心配する貴女から毎回こっぴどく怒られていて貴女には頭が上がらない
勉強嫌いだが貴女からさせられており、意外と悪くない成績をキープしている
そんな喧嘩が強い幼なじみ男子を強気に手懐けているため、可愛いのに男子から陰で恐れられている幼なじみの女の子を募集。
同い年から少し年上希望、ストーリー重視なのでゆっくりお付き合い頂ける方、お願いします。
………ん？
あの…蒼亮、勘違いだったらごめんね。その…蒼亮の好きな子って……もしかして、私？
（此処にきて漸く自身の思い違いと先ほど感じた違和感の正体に気づいたようで、ぴたりと動きを止めて暫し目の前の貴方を凝視すると、躊躇いがちに口を開き）
…そっか。
俺もね、好きでもない人にこんなにドキドキする事は無いし、そもそもこんな事しないよ。
（頬染める貴女が言う通り、緊張して余裕は全く無くて、精一杯の言葉を何とか絞り出すと繋いだ手を下ろして力を抜いた筈なのに少し震えながら、貴女の顔を見ていられずに真っ赤な顔を逸らして）
蒼亮は強くなったと思うよ。強くなったけど、危なっかしいところがあるからね。
え…？そんなことはないんだけどな…ほんとに思ってることしか言わないよ、私は。それに、誰彼構わずこんなこと言ったりはしないし。
──ほんとだ。蒼亮ってば、私相手にこれじゃあ、好きな子が相手になったら緊張し過ぎて倒れちゃうんじゃない？まあ、そういう純粋なところにキュンときたりもするんだけどね。
（その表情に目尻を下げるとくすくすと笑み零し柔らかな口調で。次いだ貴方の言葉には思わず目を丸くして戸惑いがちに頬を染め反論するも、恥じらうような貴方の仕草と手の甲を通して感じる鼓動に何度か瞳瞬かせ、そして顔を綻ばせると空いているほうの手を貴方の腕の辺りに持っていきぽんぽんと優しく叩いて）
えー、今でもかよ…。凛久を守れるくらい強くなりたいと思ってたんだけど、俺もまだまだだなあ。
そんな、思わせぶりな事を簡単に言いやがって…。惚れさせようとしてんじゃないかって、男はすぐ勘違いするぜ？
ほら、今もう、俺こんなにドキドキしてる、
（変わっていないという貴女の言葉に頬膨らませて不満示すも心当たりが無いわけでもなく苦笑いして、覗き込んでくる貴女の顔を至近距離で見つめるのに耐えられずに目を逸らしてしまい、自分の言葉を証明するかのように握ったままの貴女の手の甲を自分の胸板に当てがって高鳴ってやまない鼓動を貴女に伝えて）
そうだねー。守らないとっていう意識はあったのかも。今も昔も目が離せないとこは変わってないよね、蒼亮は。
ふふ、それに蒼亮の手は頑張っている手だ。皮膚が硬くなって沢山バット振って練習したんだなって…私、好きよ。一生懸命頑張った証だもの。
ん…？それは……あるよ。ドキドキすることもあるし、キュンとくることもある。蒼亮だってあるでしょ？
（懐かしげに瞳細めて、そのまま笑み深めると、感触を確かめるように繋がれた手をきゅっと握りしめながら顔を綻ばせ。そして、不意に縮まる距離貴方の体温を近く感じては小さく胸の鼓動が鳴り何となく落ち着かないような気持ちになるも、それは嫌なものではなく手と手を絡ませたまま貴方と目線を合わせようと、その瞳を覗きこみ微笑んで）
昔は凛久の方が大きくて、何だか守って貰ってる感じだったけどなあ。
今は、何て言うか、やっぱり女の子の手なんだなあって俺も思う、
ドキドキ、ねえ…、凛久も、誰かにドキドキしたりする事、ある？
（貴女の方から手に触れられると一瞬驚きつつ、恋人繋ぎにされると顔が熱くなるのを感じながらも大切なものを包み込むように握り返してその手を見つめて、具体的な貴女の話に気にならずにはいられずに訊きながら、握った手をそっと引き寄せると隣の貴女と遠慮がちながらも身体寄り添わせて）
大切な幼馴染みのためなら、これくらいお安いご用だよ。
……ん？あっ、ああ…そうだねぇ…──意識……ドキドキするって事だよね。異性を感じてドキッとする感じ…ときめき……直接的だけど接触してみるとか。─あ、やっぱり蒼亮のほうが大きい。私も小さくはないんだけどなぁ…。それに、感触が違うね、女の子とは。
（素直に返されてしまうと何だか気恥ずかしくなり、からりと笑うも、貴方が語る好きな人への想いのなかにふと違和感のようなものを感じては思わず瞬きを一つ。続けて己の意見を求められた事でそちらに意識を移すと、暫し目の前の貴方を見つめ思案して。独り言のようにぶつぶつと呟きながら徐に貴方の右手を取っては大きさを比べるように手と手を合わせてから手を繋ぐかたちで握りしめ。貴方から抵抗されるようならそこで手を離すが、そうでなければ指を絡める恋人繋ぎにかたちを変えて）
凛久は優しいな…。
でも、うん、好きだよ、ずっと。
彼氏がいた事は無さそうだと思ってたけど、無いんだね。
それでも、凛久の意見が聞きたいかな。
俺がどうすれば、凛久なら俺の事を意識するか、とか。どうすれば、凛久が俺を好きになるか、とか…。
（恋愛経験が無いという貴女の言葉にその事実だけで込み上げる喜び抑えながら、改めて貴女の優しさに触れると同時にその優しさで他の誰かに靡いてしまうのではという思いも芽生えて、文脈が違う事は分かっていながらも本人を目の前にして初めての告白のように緊張しながらも言葉に想い乗せて、もう引き返せない事を自覚して更に畳み掛けて）
そっか…。蒼亮、ほんと好きなんだね、その子のこと。
うん、わかった。私で良いなら練習に付き合うよ。ただ、恋愛経験は無いからね、私。それでも良いなら。
あと、これは私個人の意見になるけど…好意を持たれて嫌な気持ちになることはないよ。相手が友達や蒼亮みたいな幼馴染みなら、私のことよく知ったうえで好きになってくれたってことでしょ？それなら寧ろこんな自分を好きになってくれてありがとーってお礼を言いたい。
（幼馴染みの好きな人への想いは真剣なものなのだろう普段の貴方とは何処か違うと、その表情と口調から伝わってくれば己もしっかり協力しようと心を決めて。はっきり頷いて答えると、貴方から初めに質問された事について素直に嬉しく感じたと伝える表情は柔らかなもので、目を細めて笑いかけ）
そうだなあ…、例えば、だけど…、凛久だって、ただの友達だと思ってる相手から、例えば俺からさ、そんな風に好意持たれてたら、嫌じゃない？
…けど、じゃあさ、凛久だったら、どんな事されたら意識するか、教えてよ。
その、練習だと思ってさ、一緒に出掛けてくんない？
（暫く考え込んでいたが貴女の方へ向き直ると、まだ迷いのある目をしながら言葉絞り出すも、これで駄目なら潔く諦めるしかないと意を決したように、普段はノリだけで生きていてどちらかというと貴女について行く事が多いので、練習だと言うにしては真面目過ぎる程に緊張した面持ちで珍しく此方からお願いしてみて）
……知らなかった、というか、全く気づかなかった。蒼亮にそんな人がいたなんて…。
でも、その人は友達なんでしょ？それに、恋愛に興味がないなら恋人はいないんだろうし…だったら諦めるのは早いって、チャンスはまだあるよ。─そうだ、遊びに誘ってみたら？二人きりで。二人で何かする時間が増えたらどこかで意識してもらえるかもよ。
（これは恋愛相談をされているのだろうか、話に耳を傾けながら貴方の横顔をまじまじと見つめてしまうも、己の知らぬところでそんな想いを抱えていた貴方が何だか大人びて見えて、何だか一人置いていかれたような気持ちになり複雑げにぽつりと零し。それでも貴方が話してくれたのだから少しでも力になろうと恋愛経験がないなりに真剣に考え励ましとアドバイスを─貴方の想い人には気づかずに）
んー…、、好きな人はいるけど、ずっと全然異性として意識されてなくて。
俺もこんなんだから、どうやったら意識して貰えるか分かんないし、友達でしかいられないんじゃないかな…。
それに、モテんのに、恋愛に興味すら無さそうなんだよね。
（此方を見つめる隣の貴女の方を向けぬまま苦笑いしつつ、自分の恋愛事情について話し慣れていない様子で、こんな話題にいつもより気を許しながらも長年の想いに気づいて欲しい気持ちと今の関係が終わる怖さに葛藤しながら慎重に話して）
はいはい、悪かったねー。
──それって、自分には好きな人が出来そうもないってこと？それとも、好きな人はいるけど、恋人にはなれないだろうって諦めてる感じにも聞こえたけど…。
（こういう貴方の表情や態度は外見のギャップとも相俟って可愛いと思えて、直接本人に言えば怒るだろうから口にはしないが、思わず目尻が下がり笑みが零れ。次いで貴方から恋愛観のようなものが語られるのは初めてにも近く耳を傾けていたところ、ふとある事に気づいては貴方の横顔を見つめたまま尋ねてみて。もしかしたら彼氏のいる子を好きになったのか、それとも手の届かないような相手に片思い中なのか、色々予想は出来るがデリケートな話題の為それ以上は追及せず）
ありがと。けど別に平気だし…、子ども扱いすんなよなっ。
ふーん、ヤキモチ妬いてくれるんだ…。でもその心配は要らねえよ。俺、好きな人としか付き合うつもり無いから、彼女なんて出来そうにも無いし。
（手当てが終わるとほっとしたように脱力するも、頭を撫でられると顔を赤らめて嬉しさと恥ずかしさが入り混じった複雑な表情向けて、此方も自分に彼女なんて無理だと半ば諦めた様子で、普段貴女とはしない恋愛の話に踏み込む加減を窺いながらも隣の貴女の方を向けないまま嘘の無い言葉選んで）
ふふ、素直でよろしい。
そんなこと言って─お父さんが二人になったみたい。彼氏になる人は大変ね。
それなら、蒼亮が彼女を連れてきた時には私も見極めよう。まあ、蒼亮が好きになる人なら心配はいらなそうだけど、念には念を入れて……と言いつつ、私も寂しくなりそうだなぁ。彼女にヤキモチやいちゃうかも──
はいっ、終わったよー。結構しみたんじゃない？よく我慢したねー。
（手当てをする手は動かしたまま瞳柔らかく細めるも、自分に彼氏が出来るなんて想像も出来ず、何処か他人事のような口振りで。どちらかといえば貴方に彼女が出来るほうがイメージできるようで同様に返したものの、ふと言葉が途切れ僅かに表情を曇らせるとぽつりと正直な気持ちが零れて。そんなもやっとした感情を振り払うよう仕上げに大判の絆創膏を左頬に貼り明るく声を上げては、痛みを堪えた貴方を褒めるように両手でわしゃわしゃと頭を撫でて）